昨日、日経平均株価がNYダウに引っ張られる形でマイナスとなった。

その大きな原因の一つが、ソフトバンクGの下落で、時価総額が日本株の中では第2位の同社の下落は日経平均に大きなインパクトを与えるのである。

ソフトバンクGは一時4,145円と、8ヶ月ぶりの安値を見せる場面もありました。

大きな要因として、ウィーカンパニーのIPOが遅れているばかりか資金繰りがショート寸前であることから、大手格付け会社フィッチ・レーティングスが今月1日に同社の格付けを「トリプルCプラス」に2段階引き下げたと発表したことだと見られる。
以前、私も記事にしたことがあるが、ソフトバンクGはウィーカンパニーに800億円の追加投資をしようとしている。

正直意味がわからないが、ソフトバンクGの投資判断が我々の一般人の常識の範疇にもはや無いのかもしれないと私は考えています。ソフトバンクGのことを、『IT版のバークシャーハサウェイ(BRK)』と呼ぶことがあるが、バークシャーハサウェイの会長である投資の神様ウォーレン・バフェット氏も過去にはなぜ今のタイミングでそんな企業に投資するのか?と株主たちが理解できない投資を続けてきて、結果的に大きな利益を上げている。
例えば、1995年から2000年頃のITバブルの際には、IT企業に一切投資せず、オールドエコノミーの企業買収を進めてきたことや、リーマンショック直後にゴールドマン・サックス(GS)に出資したのが良い例だ。
バフェット氏の理解できる範疇がオールドエコノミーの企業であるのと同様、孫正義氏の理解できる範疇がまさにITであり、ボコボコに叩かれている今こそウィーカンパニーに投資冥利を感じているのかもしれない。そもそも、追加投資に800億円という莫大な資金を投じているが、ソフトバンクGからすれば大した額では無いのかもしれません。ソフトバンクGの1Q時点の現金同等物の残高は2.9兆円超となっている。800億円といえば、ソフトバンクGの現金同等物の残高のわずか2.7%程度である。これがどういうことかと言えば、例えば1万円を持っている人が270円だけ利用するのと同じこと。追加投資の額としては別に失ってもダメージは大したことはないのでは無いでしょうか。もちろん、それ以前に5,000億円程度の投資をしているため、紙くずとなれば影響は計り知れませんが、だとしても、ウィーカンパニー株はソフトバンクGの保有する有価証券の一部ですので、再起不能になるという心配はございません。
逆に、現在の株価はソフトバンクGとしては割安だと言えるかもしれない。同社株のPBRは現在1.06倍、PERは6.69倍(ともに10/2時点)と、バリュー株投資家にとっては喉から手が出るほど割安に見えるだろう。実際、投資の神様ウォーレン・バフェット氏もその師匠であるベンジャミン=グレアム氏も、バリュー株投資の指標としてPBR1.2倍未満の株は投資冥利があるとしている。
もちろん、PBRやPERはそれ単体で割安度の判定はできないということも以前記事にはまとめています。

だが、世界的に金融株に逆風が吹く中、ソフトバンクGは割高か割安かの二択で言えば明らかに割安と言えるのではないでしょうか。バフェット氏が今も銀行株を買い集めているように、日本株に投資されるのであれば、ソフトバンクGは買い時と言えるのかもしれませんね。