【悲報】NYダウはいずれ8,701ドルまで下落する

投資の考え方
スポンサーリンク

東洋経済オンラインから、非常に興味深い記事が掲載されておりました。

「ダウ暴落、1ドル=65円時代が来る」と読む理由 NY在住「伝説のトレーダー」若林栄四氏に聞く
7月16日にNYダウは過去最高値の2万7398ドルをつけたものの、その後は微妙だ。今は十分に高い水準にあると言えるが、ニューヨーク在住の現役トレーダー、若林栄四氏は1ドル=65円、NYダウはいずれ8701ドルまで下落するとみる。その真意を聞いた。

記事によれば、ニューヨーク在住の現役トレーダー、若林栄四氏は1ドル=65円、NYダウはいずれ8701ドルまで下落すると見ているようだ。その理由として、米国株は明らかに割高であると次のように説明している。

それはPERの計算式を考えれば明らかです。PERは株価÷1株当たり利益で計算されますが、これはそのまま「時価総額÷利益総額」に置き換えられます。そこで問題になるのが時価総額です。よく「企業価値は時価総額で計られる」などと言う人がいますが、これは明らかに間違った認識です。(中略)…唯一、株式を発行している会社の本質的な価値を測るのに信頼できる数字は、その会社が持っている純資産です。つまりPBR(株価純資産倍率)で評価するのが妥当なのですが、アメリカ株のそれは2019年7月時点で3.5倍です。ちなみに日本は1.2倍、イギリスは1.8倍、ドイツは1.6倍ですから、いかに今のアメリカ株が大幅な割高水準にあるのかが、おわかりいただけるでしょう

なるほどなるほど…納得、

できる訳ねーだろ!!!!!!!

まず彼の論調には大きな矛盾があります。それは、PERが信頼できない理由として『時価総額で測られる』ことを挙げているのに対し、彼が唯一信頼できるというPBRも同じく『時価総額で測られる』指標だからです。PBRを求める数式は

PBR(株価純資産倍率)=時価総額(株価)/株主資本(BPS)

という数式で表され、PBRは今の株価が株主資本、つまり本質的な価値に対して、何倍になっているかを求める式です。そして、確かにPBRが1倍を割る水準の株は本質的価値より株価が低く見積もられているため、割安であると言われています。投資の神様ウォーレン・バフェット氏の師匠、ベンジャミン・グレアム氏が推奨した『シケモク投資』に近いものがあります。グレアム氏もかつてのバフェット氏もPBR1.2倍以下を割安水準として設定していました。これぞ本来の『バリュー投資』と呼ばれる手法であり、伝説の投資家が実施していた確かに有効な投資方法と言えるでしょう。

ですが、彼の言う通り、米国株がはたして2024年にPBR1倍=NYダウ8,701ドルの水準まで下落するでしょうか。個別の銘柄を少し見ていきたいと思います。まずは、シケモク繋がりで、タバコ銘柄アルトリア(MO)を見てみましょう。ここ数年の評価はお世辞にも良いとは言えず、特にここ3年ほどは株価が思わしくありません。

これはPBRも相当低くなっているのかと思えば、アルトリア(MO)の現在(2019/9/12)のPBRは5.63倍!PBRが1倍になるには、1株7.89ドルまで下落する必要があります。ちなみに今の配当をキープしてもらえるなら、配当利回りは驚異の42.5%!配当金だけで2年少々で投資元本を回収できる計算になります。あり得ないですよね。

アルトリアのPBRが高い理由は、同社が利益のほとんどを株主に配当金として還元しているからです。株主資本には、毎年の利益が『繰越利益剰余金』として計上されているが、配当金として株主へ還元すれば、会社としてはそれだけ翌期に繰り越す利益が少なくなります。ですので、その分株主資本(BPS)が小さくなりがちなのです。アルトリアはまだマシな方で、フィリップ・モリス(PM)に至っては、BPSが▲8.01(2018年12月時点)となっている。株主資本がマイナスということは、つまり債務超過になっているということです。フィリップ・モリスが債務超過なのは、別に上場廃止の危機という訳ではなく、業績も安定していて新規投資も必要としない退屈なタバコ事業ですから、毎年の利益は大体予想がつきます。来年も、再来年も『タバコを製造しては、バカからキャッシュを巻き上げ続けることができる!』という自信の表れとして債務超過になるほど株主へ還元し続けているというのが実情です。

ちなみに、先日私が追加投資したマクドナルド(MCD)も同じような理由で債務超過が続いています(BPS▲8.16(2018年12月時点))。タバコもジャンクフードも中毒性は高いですからね。とは言え、マクドナルドが数年のうちに債務超過で倒産するというビジョンが描けますか?私にはそれを予測するのは難しすぎます。つまり、PBRだけでは計れない銘柄が米国市場にはたくさん存在しているということが分かります。

では逆に、現在PBRが1.2倍未満となっている代表的な米国企業をいくつか挙げてみましょうか。

クラフト・ハインツ(KHC)が0.69倍、バンクオブアメリカ(BAC)が1.08倍、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK)が1.09倍、ゴールドマン・サックス(GS)とウェルズファーゴ(WFC)が共に1.14倍…なるほど、こうやってスクリーニングすると、最近バフェット氏が金融株を買い集めている理由が良く分かりますね。1.2倍以下が割安というのなら、本来のバリュー株投資家はこういった銘柄を仕込む時と言えるでしょう。実は私も最近の金融株には興味を示しており、リセッション入りが確実になれば新規投資をしようかとも考えています。数十年単位で保有するかどうかは定かではありませんが。ただ、今後まだまだ利下げが続きそうな状況の上、間もなくリセッションが訪れようとしている。そんな状況の金融株こそが今の段階でフェアバリューだというのが若林氏の論調だということになります。

果たしてそうでしょうか?PBRには重大な落とし穴があって、それは将来の成長を見込んでいないということです。銀行株が割高ではないことは分かりますが、今の株価を今の株主資本で割った指標に一体どれだけの価値があると言えるのでしょうか。米国のPBRが3.5倍と他の主要国より突出して高くなっているのは、それだけ米国市場の安定的な成長が他の国より期待されているということの表れではないでしょうか。

バフェット氏がPBR1.2倍というのを割安の水準としてみているのであれば、彼がPBR1.2倍の日本株市場に投資をしてもおかしくないはずですが、そんな素振りは一切ありません。それはなぜか。日本の将来的な経済的成長が見込めないからではないだろうかと思います。もちろん、米国株市場では、1つの銘柄が成長をけん引し続ける訳ではありません。現在時価総額1兆ドル超えのマイクロソフト(MSFT)もアップル(AAPL)も30年前には吹けば飛ぶような中小企業でした。それらの企業がIT革命をけん引し、米国株市場全体の成長を支えているのです。

米国株市場の成長の大きな要因はイノベーションです。今では凋落したゼネラル・エレクトリック(GE)も、かつては時価総額世界一の企業でした。日本のトヨタ自動車や、韓国のサムスンのように、いつまでもトップがのさばっている市場ではなく、米国の時価総額トップ企業はとんでもない早さで入れ替わっている。それこそが米国株市場の成長の要因であり、PBRが3.5倍になるまで買われている米国株市場への期待感の表れなのだと断言できます。

もちろん、私も今の株価が割安だなんて一切思っていませんし、将来的に8,701ドルまで下落する可能性も否定できないです。私には未来を見通す能力がないということだけは確実です。ただ、PBRだけで判断して極論を展開するのはいかがなものかと思った次第です。

PBRもPERと同様にそれ単体で割安か割高かという判断に用いる指標ではないと私は考えています。

↓ポチっとワンクリックよろしくお願いします!

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

↓こちらもワンクリックいただけると嬉しいです!

タイトルとURLをコピーしました