最近、株式相場が悲観的になってきたことから、『クラウドバンク』というソーシャルレンディングへの勧誘が増えております。ソーシャルレンディングとは、銀行で借りることができない個人や企業に対して、お金を貸すというシステムです。
銀行で借りることが出来ないということは、当然ですが、信用スコアが低い不健全な事業者ということになります。その見返りとして高い利回りが期待できるようになっています。これ、何かに似てませんか?実は、このソーシャルレンディングの仕組みは、リーマン・ショックを引き起こしたサブプライムローンに近い性質なのです。
サブプライムローンとは、クレジットカードの延滞などを繰り返す信用力の低い個人や低所得者に対して高金利で住宅ローンを組ませるというものでした。それを証券化し、高利回りの金融商品として販売したことがサブプライムローン問題のきっかけとなりました。当然信用度の低い個人ですから、ローンの返済に行き詰まり、デフォルトを起こす事案が増加し、信用リスク懸念が一気に噴出し、結果世界中を巻き込む100年に1度の金融危機を引き起こしてしまいました。
クラウドバンクが今まで一度もデフォルトを起こしていないのはたまたまで、ソーシャルレンディング業界全体で言えば過去にデフォルトは何度も起こしている。maneoやSBIソーシャルレンディングといった大企業が過去に個人向けの無担保ローンという非常にリスクの高い商品ではあるが、デフォルトしたことはあります。その経験から個人向け無担保ローンからは撤退しています。
ですが、こういった高利回りのローンのデフォルト案件は、本来景気が後退してきたあたりから徐々に増加していくのです。そもそも、市場が好調だった2010年代の間にデフォルトなんて起きるべきものではありませんでした。ただ、企業向けの不動産担保ローンなんて明らかに危険な匂いがしますよね。これからリセッション入りしてデフォルトの危機に瀕したため、担保の不動産価値を調べてみたら担保の半額程度の価値しかないじゃないか!なんていうまさにバブル崩壊期の様相が再現されるかもしれません。まさにこの言葉がピッタリかもしれません。
我々が歴史から学ぶべきなのは、人々が歴史から学ばないという事実だ。
by ウォーレン・バフェット
当然、投資ですからどんな金融商品にもリスクは存在しています。クラウドバンクはデフォルトを起こしても一部は回収できるはず(債権者にあたるため)ですが、株式は投資先が倒産すれば一円も回収することはできません。これが債権者と投資家の違いです。株式の方が本来はリターンが高い代わりに倒産した時には1円も保証されていません。
ソーシャルレンディング全般を頭ごなしに否定するつもりは全くありません。世の中の投資対象は株式だけではありませんからね。ただ、ソーシャルレンディングの利回りが高いということはそれだけハイリスクなのだということを肝に銘じる必要があると思います。株式市場と違ってソーシャルレンディングは市場も歴史が短いためこれから先何が起こるのか?というのが判断しづらい状態です。
それをさもローリスクかのように宣伝するのは、ミスリードを誘う悪質なマスメディアと同類なのではないかと思う次第です。クラウドバンクが安全というのはちょっと違います。
あ。クラウドバンクのリンクはこの下にはありませんよ。笑
私はクラウドバンクを利用していないので、皆様に紹介するだけの知識も実績もないのです。
なので、上記の見解はクラウドバンクやソーシャルレンディングについて、やったこともないのに批判する無知でバカな素人の意見とも取れますが。。。笑 果たしてソーシャルレンディングの未来はどうなるのでしょうか。私にはわかりかねます。