今回紹介する本は投資本として恐らく一番読み返したと思います。
それほど投資に大切なエッセンスが詰まっていて、理解しやすい内容にまとまっています。
投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識
読み始める前は「一番大切なのに20もあるのかよ!結局どれが一番大切なんだよ!」とか考えていましたが、タイトルに偽りなく、20の教えすべてが一番大切でした。
その中でも一部を紹介させていただきます。
二次的思考をめぐらす
筆者の言う二次的思考とは例えば、『これは良い企業だから買おう』というのが一次的思考なのに対して、『良い企業だが過大評価されているため割高になっているので売ろう』というのが二次的思考。
『経済成長率が低下し、インフレ率は上昇する見通しだから、持ち株を売ろう』というのが一次的思考、『景気見通しが悪いが、他の投資家がパニック売りをしているから今が買い時だ』というのが二次的思考となります。
要は、他人の考える一歩先まで考えて、他人とは逆の動きをすることで大きなリターンを得ることができる。ということです。
サイクルに注意を向ける
「原則その①…ほとんどの物事にはサイクルがあることがやがて判明する
原則その②…利益や損失を生み出す大きな機会は、周りの者が原則その①を忘れたときに生じることがある」
米国株市場ではリーマンショック以来10年ほど大きな調整がない好調が継続しているのですが、物事にはサイクルがあり、いずれ好調は終わり、下落に転じることがあるということを心に刻んでおかなければなりません。実際、最近はボラティリティが高まっており、最高値を更新しているものの先行き不安定です。
とはいえ、まだ好調がしばらくは続く可能性もあるため、機械的にS&P500への積立投資を続け、暴落時でもパニック売りをしないこと。が大切と言えるでしょう。
無知を知る
未来のことは、たとえ5分先のことであってもわからないものです。
デイトレードなどでたまたま成功している方は自分があたかも未来を見通せる力があるとでも思っているように見受けられます。ですが、本来は自分が未来を見通せるはずもなく、無知であるということを理解しておく必要があります。無知であることを忘れれば人は必ず大きな損失を被るでしょう。
FXやバイナリーオプションといったギャンブルに興じる人は自分が無知であることを理解していないか、生粋のギャンブル好きかのどちらかです。賢明な投資家になりたければ、自分が無知であることを理解する必要があります。
今回は一部だけ紹介させていただきました。もちろん、自分で個別株の選定をして投資をしていくという投資家の方であれば20の教えすべてが一番大切なのですが、初心者としてはまずこれらの要点を押さえる必要があるかなと感じました。
ですので、株式投資の初心者から上級者まで幅広くおすすめできる一冊です。
ぜひ、お手元に置いて何度も読み返してください。