米国株のリターンは平均的に年率8%と言われていますが、この8%と言う数字は頭に『インフレ調整後』と言う言葉が付きます。インフレ調整後とはそのままの意味でインフレを加味して調整した上でさらに8%の成長をしていると言うことです。つまり、インフレ率が米国のインフレ率が2%であれば実際は10%の成長をしていると言うことになります。
日本はデフレ状態が長引きすぎてインフレが起こりづらい
日本も最近でこそ少しずつインフレが進んできていますが、平成の30年間はほとんど物価が変わらず、逆にデフレにより極端にモノの値段が安くなったこともあり、私が小学生の頃はマクドナルド(MCD)のハンバーガーが60円で食べれたり、それどころかハンバーガー無料券なんてのを配っていたりしていました。そんな日本ではわずか1%のインフレだけで国民の抵抗が激しく、なかなか目標インフレ率の2%には届きません。いまだに牛丼が1杯380円で食べれると言うのは完全に異常です。
米国より日本の方がインフレ率が低いなら、その分期待利回りは上がる
そこで先ほどの話に戻ると、米国のインフレ率がおよそ2%であり、インフレ調整後の平均リターンが8%であるならば、実質米国株は平均10%の成長をしていることになります。そんな中で日本のように1%程度のインフレ率しかない国で暮らしていれば、そのリターンは平均9%となります。もちろん、為替の影響や税金を加味すれば米国で暮らしていても日本で暮らしていてもリターンはそこまで変わらないかもしれません。しかし、何年経ってもクオリティの高い牛丼を380円でしか販売できない日本の企業と、平均2%のインフレの中でもGDPのおよそ7割を国民の消費で賄っている大量消費の文化が根付く米国の企業、投資先として長期的に有望なのがどちらかと言えば、明らかに後者です。
消費者としては日本の方が有利、日本人米国株投資家は両国のいいとこ取りができる
投資家としては米国株の方が有望であるのは明確ですが、消費者としては380円で美味しい牛丼が食べられるのはありがたいことですよね。投資家である限り、節約できるところは節約して投資へ回す資金を最大化するのが理想です。日本は低成長な上にクオリティが高くて安いものが揃っており、またインターネット環境も整っており、米国株への投資はここ数年で一気にお手軽になりました。日本に住んで米国株に投資することで両国のいいところを最大限活かすことができるため、日本人こそ米国株に投資するのがベストな選択であると言えるでしょう。