クレジットカード市場は現在も世界中で拡大を続けております。
日本でも政府主導で本格的なキャッシュレス社会へ移行しようとしています。
キャッシュレス社会で最も恩恵を受ける企業がビザ(V)とマスターカード(MA)です。
クレジット決済の分野でビザ(V)とマスターカード(MA)の二社でシェア全体の85%を占めていることからもこの2社が圧倒的であることは間違いないでしょう。
両社の長期チャートを見てみましょう。


ご覧の通り、いつ見てもほれぼれするほどの右肩上がりです。この10年でビザの株価は約10倍に、マスターカードの株価は約15倍にまで成長しています。
配当利回りはどちらも常に0.5~0.7%と低く、PERも30倍を超えており、はっきりいって割高な水準と言えます。
ですが、この2社がここまで買われる理由は圧倒的な信頼とブランド力を有する世界でも有数の優良企業だからです。
世界中で発行されているクレジットカードのうち、ビザのシェアがおよそ60%、マスターカードのシェアがおよそ25%となっており、この2社で全体の85%を占めています。
実はビザやマスターカードは直接クレジットカードを発行しておらず、決済機能のネットワークが収益の柱となっています。
世界中でビザやマスターカードと提携しているクレジットカードが利用されるたびに手数料収入が入ってくるというビジネスモデルです。
つまり、カードの発行枚数が増え、利用者が決済すればするほどどんどん儲かる仕組みになっています。さらに、もしクレジットカードの利用者が債務を支払えない状態になったとしても、その債務はクレジットカード発行会社が請け負うことになりますので、貸倒リスクもありません。
これほどリスクが低く、高収益のビジネスモデルを展開している企業は世界的に見てもこの2社だけです。
また、この2社は高収益の恩恵をきちんと投資家に還元してくれる企業であり、10年間でビザの配当金額は10倍に、マスターカードは18倍に増加しました。また、自社株買いにも積極的で、1株あたりの価値をどんどん高めております。
さらに前述したとおり、世界的にキャッシュレス化が進んでおり、その主役は依然としてクレジットカードであることも追い風となっております。これからも世界人口は増加しており、業績もまだまだ成長段階であると言えるため、株価も上昇していくものと予測されます。
とはいえ、当然ノーリスクであるはずもなく、景気後退による購買意欲の減少には大きな影響を受けるでしょうし、仮想通貨などの決済方法が確立される可能性もないわけではありません。
さらに、この2社は大きくなりすぎた故に独占禁止法に抵触する可能性もあります。
ですが、政策による是正や訴訟問題は株の買い増しに有利であることから、大きなリスクであるとは考えていません。
バフェット氏も、「株の理想の保有期間は”永遠”だ」と言っています。優良なビジネスを保有しており、それが成長を続ける限り、その株は売却するべきではなく、保有し続けるというスタンスを忘れないことが大切です。